Difference between revisions of "Scheduling overview/ja"
(Created page with "二相スケジュールとされる分類は、上記の歴史的な多相スケジュールに加えて、通常のシエスタの変形と...") |
|||
(12 intermediate revisions by the same user not shown) | |||
Line 12: | Line 12: | ||
NREMの第三段階は、総睡眠の15~25%を占める、すべての睡眠ステージの中で最も深い睡眠段階です。この段階では主に高振幅で低周波の[[Wikipedia:delta waves|デルタ波]]が含まれています。したがって、徐波睡眠(SWS)として知られています。この段階から目を覚ますのは非常に困難です。そうしようとすると、激しいだるさと認知機能の低下した期間、[[Special:MyLanguage/sleep inertia|睡眠慣性]]につながる傾向があります。この睡眠段階は[[Wikipedia:Glymphatic system|グリンパティックシステム]]を介して、脳の維持に重要な役割を果たしています。このプロセスは約30~60分の連続したNREM3が必要となり、短い仮眠しか含めていないスケジュールでは妨げられる可能性があります。 | NREMの第三段階は、総睡眠の15~25%を占める、すべての睡眠ステージの中で最も深い睡眠段階です。この段階では主に高振幅で低周波の[[Wikipedia:delta waves|デルタ波]]が含まれています。したがって、徐波睡眠(SWS)として知られています。この段階から目を覚ますのは非常に困難です。そうしようとすると、激しいだるさと認知機能の低下した期間、[[Special:MyLanguage/sleep inertia|睡眠慣性]]につながる傾向があります。この睡眠段階は[[Wikipedia:Glymphatic system|グリンパティックシステム]]を介して、脳の維持に重要な役割を果たしています。このプロセスは約30~60分の連続したNREM3が必要となり、短い仮眠しか含めていないスケジュールでは妨げられる可能性があります。 | ||
− | + | 総睡眠の20~25%を占めるREM睡眠は、覚醒時に似た高頻度・低振幅の活動と急速眼球運動が特徴になっております。この段階では筋肉も麻痺し、体温調節ができなくなります。REM睡眠中は鮮明な夢もよく経験され、そして筋活動抑制(麻痺)により、眠る人がそれを行動に移すことができなくなります。 | |
==多相睡眠に通じての睡眠の削減== | ==多相睡眠に通じての睡眠の削減== | ||
Line 18: | Line 18: | ||
SWSとREM(総称「必要睡眠段階」)は、体にとって最も必要なものであり、一般的には減らすことはできません。SWSとREMが不足すると、足りない睡眠段階のプレッシャーが蓄積し始めます。そしてプレッシャーが高まると、体はほかの睡眠段階よりもその足りない段階を優先し始めます。その結果、SOREM(sleep-onset REM)とSOSWS(sleep-onset SWS)と呼ばれる、入眠直後にREM・SWS睡眠に入ることができることになり、必要な量のSWSとREMを短時間で得ることができるようになります。さらに、睡眠が制限されると、必要睡眠段階が浅い睡眠(NREM1、2)を置き換え、体を維持するために必要な総睡眠量がさらに減ることになります。 | SWSとREM(総称「必要睡眠段階」)は、体にとって最も必要なものであり、一般的には減らすことはできません。SWSとREMが不足すると、足りない睡眠段階のプレッシャーが蓄積し始めます。そしてプレッシャーが高まると、体はほかの睡眠段階よりもその足りない段階を優先し始めます。その結果、SOREM(sleep-onset REM)とSOSWS(sleep-onset SWS)と呼ばれる、入眠直後にREM・SWS睡眠に入ることができることになり、必要な量のSWSとREMを短時間で得ることができるようになります。さらに、睡眠が制限されると、必要睡眠段階が浅い睡眠(NREM1、2)を置き換え、体を維持するために必要な総睡眠量がさらに減ることになります。 | ||
− | + | しかし、NREM2が減少すると、長時間起きていられる能力が低下します。そのため、総睡眠時間(TST)が少ないスケジュールでは、1日の中でより多くの睡眠ブロックを分散させる必要があります。20分程度の仮眠や90分程度の、1周期分のコアをとることで、多相睡眠者が覚醒を維持することができます。最大の目覚めの間隔は、スケジュール、時間帯、および個々の睡眠ニーズによって異なります。間隔が大きすぎると、起きている間は必ず疲れてしまい、スケジュールに完全に適応できなくなります。 | |
==概日リズム== | ==概日リズム== | ||
Line 25: | Line 25: | ||
日没後、光量が減ると、体は睡眠を促すためにメラトニンを分泌し始めます。夜のはじめにメラトニン濃度が上昇することで、最初の数回の睡眠周期でSWSを得ることができます。一方、朝になってメラトニン濃度が下がると、体はREMを優先的に得るようになります。 | 日没後、光量が減ると、体は睡眠を促すためにメラトニンを分泌し始めます。夜のはじめにメラトニン濃度が上昇することで、最初の数回の睡眠周期でSWSを得ることができます。一方、朝になってメラトニン濃度が下がると、体はREMを優先的に得るようになります。 | ||
− | [[File:Melanopic.png|thumb| | + | [[File:Melanopic.png|thumb|メラノピック感度曲線]] |
− | + | 現代では、人工光の出現により、多くの人の概日リズムが前倒し(=遅くなる)になっています。しかし、このような人工光源への曝露は、SWSを効率的に得られる能力を損なうことにもなります。光が概日リズムにどの程度影響を与えるかは、メラノピック光感度の機能によって示され、約480nm(青)でピークに達し、その両側で低下します。この影響を軽減するためには、青や緑の光を極力目に入らないようにする、[[Special:MyLanguage/dark period|暗期]]を設置する必要があります。これには、[[Special:MyLanguage/red goggles|赤いゴーグル]]や[[Special:MyLanguage/screen filters|青色光フィルタ]]を使うなど、さまざまな方法があります。 | |
概日リズムの安定性を維持するためには、多相睡眠スケジュールはすべて日ごとのコアや暗期のタイミングに大きな変化がないよう、比較的一定に保たれる必要があります。そのため、1日24時間のリズムと一致していないスケジュールは、持続不可能であり、不健康である。例として、1日に24時間以上のサイクル(就寝時間を継続的に遅らせる)や、日々の睡眠スケジュールを大きく変化させることなどが挙げられます。 | 概日リズムの安定性を維持するためには、多相睡眠スケジュールはすべて日ごとのコアや暗期のタイミングに大きな変化がないよう、比較的一定に保たれる必要があります。そのため、1日24時間のリズムと一致していないスケジュールは、持続不可能であり、不健康である。例として、1日に24時間以上のサイクル(就寝時間を継続的に遅らせる)や、日々の睡眠スケジュールを大きく変化させることなどが挙げられます。 | ||
Line 32: | Line 32: | ||
==最低限の睡眠== | ==最低限の睡眠== | ||
{{see also|Age}} | {{see also|Age}} | ||
− | + | 一般的に必要睡眠段階は減らすことができないため、スケジュールを維持するために必要な圧縮の程度は、総睡眠時間が減るにつれて劇的に増加します。しかし、睡眠を圧縮するには適応が必要であり、圧縮の度合いが大きければ大きいほど、より過酷な/長い適応が必要となります。このように、スケジュールは主に睡眠時間の削減度合いによって分類することができます。 | |
脳と体がまだ発達していない若い人は、大人よりもSWSとREMを多く必要とするため、最低限の睡眠量が多くなり、睡眠時間の削減が難しくなることは注目に値します。さらに、NREM2は脳の発達において他の機能を持っている可能性が指摘されており、そのためNREM2の減少は発達にとって問題となる可能性があります。 | 脳と体がまだ発達していない若い人は、大人よりもSWSとREMを多く必要とするため、最低限の睡眠量が多くなり、睡眠時間の削減が難しくなることは注目に値します。さらに、NREM2は脳の発達において他の機能を持っている可能性が指摘されており、そのためNREM2の減少は発達にとって問題となる可能性があります。 | ||
Line 100: | Line 100: | ||
多相スケジュールでの睡眠は、[[Special:MyLanguage/cores|コア]]と[[Special:MyLanguage/naps|仮眠]]に大きく分けられています。 | 多相スケジュールでの睡眠は、[[Special:MyLanguage/cores|コア]]と[[Special:MyLanguage/naps|仮眠]]に大きく分けられています。 | ||
− | コアとは、少なくとも1つの完全な睡眠周期を含む長い睡眠ブロックのことです。コアは一般的な[[Wikipedia:sleep cycle|睡眠周期]] | + | コアとは、少なくとも1つの完全な睡眠周期を含む長い睡眠ブロックのことです。コアは一般的な[[Wikipedia:sleep cycle|睡眠周期]]の長さである90分の倍数になるように設定されています。しかし、別の周期の長さに合わせるするため、またはSWSやREMを得られる時間を増やすために、コアの長さを変えることができます。コアは生命維持するのに必要な量のSWSを提供するため、一般的に必須であると考えられます。そのため、コアのないスケジュール(=[[Special:MyLanguage/Nap only|仮眠のみのスケジュール]])は成功率が極めて低い。 |
− | + | 仮眠とは短い睡眠ブロックのことで、デフォルトでは約20分程度です。仮眠をとることで、少量のREMを得ることができます。また、仮眠は日中の覚醒状態を維持することにも役立ちます。明け方のREMのピーク時には、より長い仮眠(最大約45分、[[Special:MyLanguage/pronap|プロナップ]]<nowiki/>と呼ばれる)をすることで、REMにより多くの時間を費やすことができます。それ以外の時間帯にプロナップをすると、SWS中の覚醒につながり、特にSWS不足のときには、目覚めるのが非常に困難になることがあります。 | |
コアは、SWSで満たされた睡眠周期を完成させるのに十分な時間があるため、夜が好みます。また、多くの人は社会的義務のために、夜に設定した方が楽だと考えられます。仮眠は、より深い睡眠段階が現れにくいため、日中に好まれる。一度適応してしまえば、仮眠は比較的柔軟に対応できますが、コアは動かすのがかなり難しいです。 | コアは、SWSで満たされた睡眠周期を完成させるのに十分な時間があるため、夜が好みます。また、多くの人は社会的義務のために、夜に設定した方が楽だと考えられます。仮眠は、より深い睡眠段階が現れにくいため、日中に好まれる。一度適応してしまえば、仮眠は比較的柔軟に対応できますが、コアは動かすのがかなり難しいです。 | ||
Line 114: | Line 114: | ||
太古の昔から人類が行ってきたスケジュールは、大きく分けて2種類あります:夜間に長い睡眠を2回とり、その間に起きる「[[Special:MyLanguage/Segmented|分割睡眠]]」と、夜間に長い睡眠を1回とり、午後に短い睡眠をとる「[[Special:MyLanguage/Siesta|シエスタ]]」である。もちろん、古代の人々のスケジュールはもっと柔軟性があり、現在の標準的なスケジュールに比べて、より多い総睡眠時間を確保していたと思われます。現代の多相睡眠スケジュールの多くは、歴史的に一般的な、上記の2つのスケジュールに加えて、単相睡眠から発展したものです。 | 太古の昔から人類が行ってきたスケジュールは、大きく分けて2種類あります:夜間に長い睡眠を2回とり、その間に起きる「[[Special:MyLanguage/Segmented|分割睡眠]]」と、夜間に長い睡眠を1回とり、午後に短い睡眠をとる「[[Special:MyLanguage/Siesta|シエスタ]]」である。もちろん、古代の人々のスケジュールはもっと柔軟性があり、現在の標準的なスケジュールに比べて、より多い総睡眠時間を確保していたと思われます。現代の多相睡眠スケジュールの多くは、歴史的に一般的な、上記の2つのスケジュールに加えて、単相睡眠から発展したものです。 | ||
− | [[Special:MyLanguage/Biphasic| | + | [[Special:MyLanguage/Biphasic|二相]]スケジュールとされる分類は、上記の歴史的な多相スケジュールに加えて、通常のシエスタの変形ともいえるE1で構成されています。 |
− | + | [[Special:MyLanguage/Everyman|エブリマン]]スケジュールとされる分類は、単相睡眠の終わりの睡眠周期を削除し、失われたREMの時間を補い、覚醒を維持するために仮眠を追加して形成されています。 | |
− | |||
− | |||
− | + | [[Special:MyLanguage/Dual core|二主相]]スケジュールとされる分類は、単相睡眠の代わりに[[Special:MyLanguage/Segmented|分割]]睡眠をとることで同じことを行います。 | |
− | |||
− | |||
何十年もわたって、多相睡眠コミュニティは機能するスケジュールの分類をいくつか開発してきました。 | 何十年もわたって、多相睡眠コミュニティは機能するスケジュールの分類をいくつか開発してきました。 |
Latest revision as of 18:16, 5 July 2021
睡眠のスケジューリングは多くの側面を含み、個々のニーズに合わせて行われなければなりません。多相睡眠スケジュールがうまく設計されていない場合は十中八九、深刻な睡眠不足に陥り、適応できないまま数週間から数ヶ月を無駄にしてしまいます。このページでは、スケジューリングに関する現在のコンセンサスを詳しく説明します。
睡眠段階
睡眠は体全体に生理学的変化をもたらす複雑な現象です。しかし、それは主に脳に影響を及ぼします。脳の電気活動により、睡眠はレム睡眠(REM)とノンレム睡眠(NREM)に分けられます。そしてさらに、NREM睡眠は脳波の周波数と振幅によって3つの段階に分けられています。
NREMの第一段階は、単相睡眠をする成人の総睡眠の5~10%を占める、NREMの中で最も眠りの浅い段階です。この段階では、外部環境への意識と自分の意識が低下します。一部の人はこの段階の間にジャーキングまたは入眠時幻覚を経験します。アルファ波とシータ波が第一段階で混在しています。
NREMの第二段階は、総睡眠の45-55%を占める、最初の段階よりも深い睡眠です。このNREM1よりも目覚めにくい段階では、アルファ波活動の間に挟むK複合と睡眠紡錘波が特徴とされています。また、この睡眠段階は長期間にわたる覚醒状態を維持する役割も担っています。
NREMの第三段階は、総睡眠の15~25%を占める、すべての睡眠ステージの中で最も深い睡眠段階です。この段階では主に高振幅で低周波のデルタ波が含まれています。したがって、徐波睡眠(SWS)として知られています。この段階から目を覚ますのは非常に困難です。そうしようとすると、激しいだるさと認知機能の低下した期間、睡眠慣性につながる傾向があります。この睡眠段階はグリンパティックシステムを介して、脳の維持に重要な役割を果たしています。このプロセスは約30~60分の連続したNREM3が必要となり、短い仮眠しか含めていないスケジュールでは妨げられる可能性があります。
総睡眠の20~25%を占めるREM睡眠は、覚醒時に似た高頻度・低振幅の活動と急速眼球運動が特徴になっております。この段階では筋肉も麻痺し、体温調節ができなくなります。REM睡眠中は鮮明な夢もよく経験され、そして筋活動抑制(麻痺)により、眠る人がそれを行動に移すことができなくなります。
多相睡眠に通じての睡眠の削減
SWSとREM(総称「必要睡眠段階」)は、体にとって最も必要なものであり、一般的には減らすことはできません。SWSとREMが不足すると、足りない睡眠段階のプレッシャーが蓄積し始めます。そしてプレッシャーが高まると、体はほかの睡眠段階よりもその足りない段階を優先し始めます。その結果、SOREM(sleep-onset REM)とSOSWS(sleep-onset SWS)と呼ばれる、入眠直後にREM・SWS睡眠に入ることができることになり、必要な量のSWSとREMを短時間で得ることができるようになります。さらに、睡眠が制限されると、必要睡眠段階が浅い睡眠(NREM1、2)を置き換え、体を維持するために必要な総睡眠量がさらに減ることになります。
しかし、NREM2が減少すると、長時間起きていられる能力が低下します。そのため、総睡眠時間(TST)が少ないスケジュールでは、1日の中でより多くの睡眠ブロックを分散させる必要があります。20分程度の仮眠や90分程度の、1周期分のコアをとることで、多相睡眠者が覚醒を維持することができます。最大の目覚めの間隔は、スケジュール、時間帯、および個々の睡眠ニーズによって異なります。間隔が大きすぎると、起きている間は必ず疲れてしまい、スケジュールに完全に適応できなくなります。
概日リズム
概日リズム(circadian rhythm)とは、光や食物の摂取などにより、地域の太陽時に合わせた体内時計のことです。概日リズムは一日中、常にホルモンの変化を誘発し、体に影響をもたらしています。主な効果の一つはメラトニンの分泌で、その存在はSWSに入るために必須であり、またREM睡眠に入るタイミングにも影響を与ます。
日没後、光量が減ると、体は睡眠を促すためにメラトニンを分泌し始めます。夜のはじめにメラトニン濃度が上昇することで、最初の数回の睡眠周期でSWSを得ることができます。一方、朝になってメラトニン濃度が下がると、体はREMを優先的に得るようになります。
現代では、人工光の出現により、多くの人の概日リズムが前倒し(=遅くなる)になっています。しかし、このような人工光源への曝露は、SWSを効率的に得られる能力を損なうことにもなります。光が概日リズムにどの程度影響を与えるかは、メラノピック光感度の機能によって示され、約480nm(青)でピークに達し、その両側で低下します。この影響を軽減するためには、青や緑の光を極力目に入らないようにする、暗期を設置する必要があります。これには、赤いゴーグルや青色光フィルタを使うなど、さまざまな方法があります。
概日リズムの安定性を維持するためには、多相睡眠スケジュールはすべて日ごとのコアや暗期のタイミングに大きな変化がないよう、比較的一定に保たれる必要があります。そのため、1日24時間のリズムと一致していないスケジュールは、持続不可能であり、不健康である。例として、1日に24時間以上のサイクル(就寝時間を継続的に遅らせる)や、日々の睡眠スケジュールを大きく変化させることなどが挙げられます。
最低限の睡眠
一般的に必要睡眠段階は減らすことができないため、スケジュールを維持するために必要な圧縮の程度は、総睡眠時間が減るにつれて劇的に増加します。しかし、睡眠を圧縮するには適応が必要であり、圧縮の度合いが大きければ大きいほど、より過酷な/長い適応が必要となります。このように、スケジュールは主に睡眠時間の削減度合いによって分類することができます。
脳と体がまだ発達していない若い人は、大人よりもSWSとREMを多く必要とするため、最低限の睡眠量が多くなり、睡眠時間の削減が難しくなることは注目に値します。さらに、NREM2は脳の発達において他の機能を持っている可能性が指摘されており、そのためNREM2の減少は発達にとって問題となる可能性があります。
年齢 | おすすめの最低睡眠時間 |
---|---|
<16 | 7.5時間 |
16~18 | 6時間 |
18~21 | 5時間 |
>21 | 4時間 |
健康への悪影響を防ぐためには、常にこの限界値を超えないようにすることが推奨されています。必要睡眠段階が必須であることは、ウ―ベルマンやダイマクションなどのスケジュールは、総睡眠時間がほとんどの人な必要睡眠の合計時間を下回るため、ほとんどの人が達成できないとも意味します。
ここでは、典型的な睡眠者が8時間の単相睡眠をとり、SWSとREMのレベルが普通であると仮定して、難易度によるスケジュールの基本的な分類を示します。
難易度 | スケジュール例 | TST範囲 | 睡眠時間の削減 | 註 |
---|---|---|---|---|
簡単 | 二相X, E1-延長,
シエスタ-延長, 分割-延長 |
7~8 | <1時間 | 初心者やかなりの柔軟性を必要とする方にお勧めです。 |
中間 | E1, E2, E3-延長, シエスタ, DC1, 三相-延長,
分割, DC1-延長 |
5~6 | 1~2時間 | ちゃんとした適応プロセスを必要とするが、適応後はかなりの柔軟性が得られます。 |
難しい | E3, DC2 | 4~5 | 2~3時間 | 過酷な適応を必要とし、ほとんどの人にとっては特に柔軟性があるわけではない。 |
とても難しい | DC3, バイマクション, 三相 | 4~5 | 2~3時間 | SWSのピークには長いコアが入っていないため、「難しい」よりも難しいとされています。 |
極めて難しい | E4, E3-短縮, ウ―ベルマン, ダイマクション | <4 | >4時間 | ほとんどの人には不可能と考えられています。 |
睡眠ブロックの長さ
多相スケジュールでの睡眠は、コアと仮眠に大きく分けられています。
コアとは、少なくとも1つの完全な睡眠周期を含む長い睡眠ブロックのことです。コアは一般的な睡眠周期の長さである90分の倍数になるように設定されています。しかし、別の周期の長さに合わせるするため、またはSWSやREMを得られる時間を増やすために、コアの長さを変えることができます。コアは生命維持するのに必要な量のSWSを提供するため、一般的に必須であると考えられます。そのため、コアのないスケジュール(=仮眠のみのスケジュール)は成功率が極めて低い。
仮眠とは短い睡眠ブロックのことで、デフォルトでは約20分程度です。仮眠をとることで、少量のREMを得ることができます。また、仮眠は日中の覚醒状態を維持することにも役立ちます。明け方のREMのピーク時には、より長い仮眠(最大約45分、プロナップと呼ばれる)をすることで、REMにより多くの時間を費やすことができます。それ以外の時間帯にプロナップをすると、SWS中の覚醒につながり、特にSWS不足のときには、目覚めるのが非常に困難になることがあります。
コアは、SWSで満たされた睡眠周期を完成させるのに十分な時間があるため、夜が好みます。また、多くの人は社会的義務のために、夜に設定した方が楽だと考えられます。仮眠は、より深い睡眠段階が現れにくいため、日中に好まれる。一度適応してしまえば、仮眠は比較的柔軟に対応できますが、コアは動かすのがかなり難しいです。
睡眠時間の整合性
適応中は、ほとんどの多相スケジュール(非削減的なものを除く)は厳しいものになります。つまり、睡眠時間が非常に安定していて、スキップ、睡眠のずれ、睡眠不足、過眠などがないことが求められます。もしあなたの生活スケジュールが、計画した睡眠スケジュールを毎日のように守れなくさせるのであれば、それに適応することはできないでしょう。1回や2回のの小さなミスは、適応に大きなダメージを与えないはずです。しかし、失敗が積み重なると、適応できる可能性は低くなります。そのため、睡眠時間に合わせた生活をしたり、寝坊しないようにちゃんとしたアラームを設定したりするなど、失敗しないよう、スケジュールを慎重に計画する必要があります。
スケジュールの分類
太古の昔から人類が行ってきたスケジュールは、大きく分けて2種類あります:夜間に長い睡眠を2回とり、その間に起きる「分割睡眠」と、夜間に長い睡眠を1回とり、午後に短い睡眠をとる「シエスタ」である。もちろん、古代の人々のスケジュールはもっと柔軟性があり、現在の標準的なスケジュールに比べて、より多い総睡眠時間を確保していたと思われます。現代の多相睡眠スケジュールの多くは、歴史的に一般的な、上記の2つのスケジュールに加えて、単相睡眠から発展したものです。
二相スケジュールとされる分類は、上記の歴史的な多相スケジュールに加えて、通常のシエスタの変形ともいえるE1で構成されています。
エブリマンスケジュールとされる分類は、単相睡眠の終わりの睡眠周期を削除し、失われたREMの時間を補い、覚醒を維持するために仮眠を追加して形成されています。
二主相スケジュールとされる分類は、単相睡眠の代わりに分割睡眠をとることで同じことを行います。
何十年もわたって、多相睡眠コミュニティは機能するスケジュールの分類をいくつか開発してきました。
スケジュールの分類 | 説明 | 註 |
---|---|---|
二相 | 睡眠ブロックが2つ | 一番簡単とされているので、初心者の方にもお勧めです。 |
エブリマン | コア睡眠1つと2つかそれ以上の仮眠 | |
二主相 | コア睡眠2つと1つかそれ以上の仮眠 | |
三主相 | コア睡眠が3つ | |
仮眠のみ | コアがなく、不特定多数の仮眠をとる | ほとんどの人が達成できるとは思われていません。 |
実験的 | 上記の分類に当てはまらないもの | 機能している証拠が不十分なため、普通は初心者にお勧めしません。 |